「好き」に還る
ご無沙汰ぶっこいてます、中澤です。
ブログもSNSも最近更新していなかったら、生存確認メールが届くようになり、現代人の存在ってネット上の活躍の有無なんだなぁとしみじみ思った次第でした。ネット上にいれば元気で、いなければ生きているかも分からない。そういう見えない糸で繋がっている不思議を感じながら、オフライン世界で元気モリモリに生きておりました。
そうそう、実はですねご記憶の方も、そうでない方もいらっしゃると思いますが、中澤今年の3月で3年間続けてきたカメラ事業をクローズしたんですね。
このブログを書いたころは、最後の納品がやっと終わり、まだ本当の自分の心を言葉に出来ていなかった状態で書いたからなのか、頂いた反響の中で3割はあったのが
『また始めたくなったら始めたらいいじゃん』
というお言葉。
そのお声を聴いた時、自分の中から悲しみが溢れてきまして。え?あなたたち、この記事読んでまだそれ言う?もう嫌なの、体も心も限界なの。自分でも訳が分からないけど、もう辛くて苦しくてどうしようもないの。カメラという単語を聞くだけで、みぞおちが痛むの。見たり、触ったりするだけで、震えたり吐いたりするの。
当時は本当にこんな状態でしたら、「また始めなよ」と言われたり「撮って欲しかったのに辞めちゃうんだもんなぁ」というような、なんとも軽い言葉を投げられるたびに、怒りと、悲しみと、それらの言葉を受け流せなかったり、対抗できない自分のふがいなさに、ただ泣くしか出来ず、なんともスッキリしない日々を過ごしていたんですね。
そして、クローズを公表したにも関わらず、依頼はコンスタントに来ていました。
もう自分では、何が起こってるのか分かりませんでした。私、辞めるって言ったのに、それを知った上で依頼が来るってどういうことだろう?
そして依頼を下さった方に「カメラ辞めたのご存知ですよね」と聞くと
「知っているけど、自分は特別に撮ってもらえるでしょ?」
とおっしゃる。
もうここまで来ると、さすがに何かが切れまして「そんなこと抜かしやがる奴を今後も相手するなんて冗談じゃねぇ!!カメラなんて今すぐ捨てたらぁ!!!」と息巻いて、本当にカメラ一式全て手放してしまったんですね。
カメラが無ければ「あ、カメラ無いから撮れません」で済みますし、私はもう手元に置いておくのもしんどかったから、かなり子供っぽい手段でしたがこれで対応に困ることなくのんびり過ごせるようになりました。※具体的にこんな感じで過ごしていました↓
(なお、鬼滅熱は現在も進行中で、毎回吐きそうになりながら読んでます)
赦しを得る
独立前から独立後の4~5年間は、本当に息つく暇もないほど走り続けてきましたが、カメラを辞めたことで大人になってから初めて、こんなにゆとりある時間が手に入ったのではないかと思うくらい、のんびり過ごすことが出来ました。
体を休めて、心を休めて行くと、冷静に物事が見られるようになるんですよね。思考と感情にがんじがらめになっていた自分から、距離を置いて客観的に観察し、考えていたこと、感じていたことの整理をゆっくりしてきた6月~9月でした。
「どうしてこんなにカメラが嫌になったんだっけ?」
「最初からこんな感じだったっけ?」
「結局、何が嫌だったのかな?」
「何が楽しかったのかな?」
「大事にしていた信念は何かな?」
それらを考え続けた3か月でもありました。過去の中には自分が大切にしたい価値観と、相容れない価値観が詰まっています。これからを作るために、それらの洗い出しってとっても大切で、カメラのお仕事で経験したすべては、まさに私の「これから」を作る要素が詰まっていました。
そんな時、友人から
「何が好きっていうのも大事だけど、私は『それをしている自分が好きか』って、何かをする上で大切な要素だと思うんだよね」
という話を聞きました。
私はカメラマンをしている自分が好きではなかった。それは今でもはっきり分かるんですよね。カメラマンと呼ばれるのもフォトグラファーと名乗るのも、嫌で嫌で仕方がなかった。
それなのにどうして3年以上も活動を続けて来たのだろう、そう思った時に本当の本当に最初の「想い」が湧いてきました。
カメラマンをしている自分は好きではなかった。
でも
好きな人のために働く自分は好きだった。
大好きだった。
好きな人の役に立てることも
一緒に何かを創造することも
一緒にいられることも
それが仕事になることも
本当に本当に大好きで、楽しくて、幸せだった。
最初はそんな想いで始めたカメラ事業でした。写真を撮影することが、さほど好きでも得意でもない私でしたが、始めたきっかけは、信頼も尊敬もする大好きな人たちが「撮って」と言ってくれたから。自分の能力を必要としてくれることが、純粋に嬉しかったんですよね。
だから最初のうちは楽しかった。楽しいしかなかった。
でもそのうち、「仕事にしていくなら拡大しなきゃ」と思うようになり、もっといい写真を撮れるようにならなきゃ、もっと周知してもらえるようにならなきゃ、もっともっとって頑張り過ぎて本質を見失って行き、どんどん苦しくなっていったんだなぁ、ということが分かった。
ただ、好きな友達や仲間のためだけの
小さな臨時カメラマンで在れたら、それでよかったのに。
拡大することが、繁栄することが
個人にとって幸せとは限らないことを知った。
お金がもらえても
感謝されても
自分の本質的な幸せの条件から逸れてしまったら
それは苦しいことなのだとこの3~4年で分かった。
そして、それが分かった時に初めて自分を赦すことが出来たように思う。苦しい辛いと思ってしまう自分を、いつもどこかで「甘えだ」「子供だ」と責め続けていたけれど、世間一般的な成功法則にのれない自分を、「弱者」だといつも心の深い部分で責め続けている自分がずっといたけれど、それら全てが砕けて消えたような感覚があった。
もういいよ。
世の中と違っても
甘ちゃんでも
綺麗ごとでも
弱者でもいい。
幸せのサイズが小さくてもいいよ。
人見知りだもん、仕方ないじゃん。
でも、この3,4年は自分の性質を超えて
本当によく頑張って来たなぁ。
沢山無理して来たなぁ。
そりゃ腰も頸椎も手首も壊れるわ。
いやはや、よくやったよ自分。
でも、撮影の瞬間に被写体に向けた
「愛」だけは本物だったなぁ。
体が限界の中で、いつでもそれだけは
貫き通せて、本当に良かった。
そうやって心からブワワわわ~!!!!って湧き上がるように赦しが溢れてきた瞬間に、一通のメッセージが届きました。
それは、大好きな仲間から
「写真を撮ってくれないか」というオファーでした。
原点回帰。「好き」に還る
オファーのメッセージはこんな感じで綴られていました。
さて、今日は実はお伺いが…みんちゃんが写真を撮るのを辞めたというのは、もちろん知っています。その上でメッセージです。
以前、みんちゃんに撮影してもらった写真、すごく気に入っているのね。そして今日セッションを受けていて、次に撮影して欲しい人って誰?という話題になった時、『みんちゃん』だったの。
もう人は撮らない?
絶対にやだ?
このメッセージを読んだ時に、なんだか自然と涙が出たんですよね。すごく私の心を大事に扱ってくれているのが伝わって来たし、何より彼女の葛藤と勇気が垣間見えたから。
すごく繊細な気配りをする方なので、おそらくセッションで私の名前が自分の中から浮かび上がった時に悩んだと思うし、こうしてメッセージを送ったら、私がどんな気持ちになるかを想像したら、やっぱり勇気のいることだと思うんですよ。
でも勇気を振り絞って、こうしてオファーをくれたことが何より嬉しかったし、私もとても好きで、信頼する仲間の一人なので力になりたいとは思ったんですね。
だがしかし、カメラは無い(笑)
そしてカメラとレンズを準備するほどの気力もない(笑)
そこで超無茶ぶりをしました。
カメラを用意してくれたら、撮りに行きます、と。
フィリピンの『殿様ダイビング』って知ってますか?基本スキューバーダイビングって、船に機材を乗せるまではショップの人がやってくれるんですけど、船の上で酸素ボンベをベストにつけたり、その他こまごまとしたセッティングは全てダイバーがやるのが当たり前なんですよ。自分のお世話が出来ない人が、海の中で無事でいられませんからね。
でもフィリピンの『殿様ダイビング』って、ダイバーは本当に何もしないで全てセットされたタンクやベストを、まるで背広を着せてもらうかのように着用して、潜るだけというあり得ないくらい至れり尽くせりのサービスのことを指すんですよ。
『殿様撮影』だなぁって瞬間的に思いましたね。
私は身軽な状態で撮影場所に行き、カメラがそこにあって、撮影して、SDだけ抜いて帰ってくるとか、もうこんな楽な条件まかり通るわけないやん。そう思いながらも、ダメ元でお伝えしてみたところ
OK~!!準備出来る~!!
と、あっさり承諾。(笑)ああ、これはもうやれってことやなと思って今回限りでお受けしました。
好きなひとの役に立てること
好きな人と一緒に時間を過ごすこと
何かを一緒に想像し
それが仕事になること
私が一番最初に感じた幸せが、最後の最後で味わえるなら…こんな幸せなことはないなぁと思いました。しかも現役の時に、やってみたかった撮影で唯一叶わなかったシチュエーションの撮影まで今回叶うという…もう私にとってはご褒美ステージなんじゃないかという内容です。
これで本当に最後。神様から頂いたギフトだと思って楽しみたいと思います。で、仲間の粋な計らいで、「どうせ撮りに来るなら、他にも撮って欲しいって人いるから一緒にお願い!」と言ってくれて、すでに4名の方を撮影することが決まりました。
時間に余裕があり、あと4名くらい行けるかも知れない…と思ったので、急きょ撮影募集を致します!
ナカザワメグミ撮影会inあべのハルカス
※定員に達しご応募締切ました!ありがとうございます!
日時:2019年11月5日(火)
10:45~15:00の間で各自30分ほど
場所:大阪府天王寺 あべのハルカス16階庭園
https://www.abenoharukas-300.jp/floor/floor_16.html
納品:JPEGデータでおひとり様50枚
WEBアルバムにて撮影後7日前後で納品。
編集・選定・加工はこちらでさせて頂きます。
料金:15,000円(税込み)
※事前お振込になります。参加者の方にのみ
振込先のご案内を致します。
※お振込み手数料のご負担をお願いいたします。
こんな方におススメ!!
☆プロフィール写真が欲しい方
☆自然な笑顔の写真が欲しい方
☆中澤に最後に撮って欲しい方
☆あべのハルカスで撮影してみたかった方
☆中澤に会ってみたい方(激レアさんw)
お申込みはこちらから!
最後に
今回の撮影に伴い、現役の時すら作らなかったポートフォリオを作りました。私がどんな写真を撮る人なのか、どんな雰囲気を表現する人なのか、よかったらご参考にして頂ければと思います。
いつもとちがうあなたじゃなくて
いつものあなたを残したかった。
だってそれが、一番ステキで
わたしが好きになった「あなた」だから。
これが、3年間貫いてきた、私の写真に対する信念でありコンセプトでした。その想いが、最後の最後でちゃんと言葉に出来ただけ幸せです。
最後まで、その想いを貫いて
どうかわたしが好きな「あなた」を残させてください。
ご一緒出来るのを楽しみにしています♡
それでは本日はここまで!
長文お読みいただきありがとうございました!