運も実力のうちブログ

運勢と仲良くして楽しい人生を送るライフハックblogです。

なんの制約もない未来が描けない時は①

もし、このブログを読んでくださる方で、コーチングのセッションを受けたことがある人、もしくは何らかの自己啓発の本を読んだことがある人なら、この言葉を聞いたことや、聞かれたことがあるかもしれない。

 

「なんの制約もなかったら何がしたい?」

 

お金の心配、健康の心配、人間関係の心配、才能・能力の心配…そういうものが一切なかったらあなたは何がしたいですか?という質問である。制限を外して、自分の奥底の「望み」や「価値観」を引き出すダイナミックな方法なのだけど、私はこの質問が苦手だった。答えられらないのである。

 

 

でも何か言わないとセッションが終わらないので、なんとかその場しのぎで「大きな家で~のんびりした生活がしたいです」とかそんな感じのことを言ったりして、コーチの「いいですね~!」という言葉を引き出そうとしていた。「いいですね~!」とさえ言ってくれたら、多くのコーチは次の質問にコマを進めてくれて、それはすなわちセッションの終わりに近づくからだ。

 

 

本当に腕のいいコーチだとここで本当のことを言っていないことが分かる。分かった上で「今の時点では」何も描けない自分というものに、寄り添い、受け止め、セッションの方向性を一緒に考えてくれたりする。そういうコーチに出会ったら全信頼を寄せる価値がある。

 

 

一番苦しかった関わり方が

「それは本当のことを言っていない気がする」

「ねぇ、本当になんの制約もなかったら何がしたい?」

「このまま死んでも後悔ないと言えるくらい、したいことはないの?」

「それで本当にいいの?満足できる?」

 

 

 

 

こういうことを言われた瞬間、なんだか首を真綿で締め上げられるような、鈍い苦しみと息苦しさがグワッと押し寄せる。完全に目の前の相手に対して信頼は失われ、なんなら憎しみすら湧いてくる。

 

 

コーチの気持ちも分かるのだ。この人自体はとても善良な人で、わたしの可能性をとても信じてくれていて、なんとかしてあげたいと思う気持ちがあるからこそこれだけ切り込んで、しぶとく聞いてくるその気持ちも、プロとしての誇りも、正義も理解を示すことは出来る。真っすぐな人なのだ。

 

 

 

でもその真っすぐさが、正義が、信じる気持ちの強さが、目の前の人の心を殺す時がある。わたしはこういうセッションの時は「不快です」と言ってメタコミュニケーションに持ち込むか、それも通じないような相手の場合、そのコーチが喜びそうな答えを差し出してその場を終わらせることに注力していた。「人を救いたい」「世界を変えたい」そんなことを言えば、そういうコーチは食いついてくれるから。

 

 

確かにあなたが信じるように、私の未来には可能性がたくさんあって、私がそれを望み、選ぶだけでいくらでも叶う夢も沢山あるのだろうけど、でも苦しいねん。出ないねん。今の私にはそんなこと言われても、未来なんて描けないし、描いてもどこか空虚で自分の望みじゃないような、そして夢物語すぎてとても叶えられる気がしなくて、描くほどに自分に失望すんねん。

 

 

「ああ、わたしには所詮、大したことも出来ずに死ぬんだな」

「平凡に生きて、平凡に死んでいくんだな」って。

 

 

だから私は、コーチングを学んでから幾度もこの質問にさらされ、その数だけ元気になるどころか悲しい気持ちを味わうことになった。夢や未来が描けない自分に絶望し、何がしたいか分からないことに焦り、それでも終わらない命を前にどうすればいいか分からなかった。夢も希望もなく、喜びも持てずに生きるには、人生は長くて辛すぎる。更に、まがりなりにも私もコーチだ。コーチの端くれではあるし、コーチングマインドは深いところで息をして、確実に私に根付いている。

 

 

コーチのくせに、未来が描けない自分はコーチングをする資格がないと思うと、さらに私を苦しめた。自分には向いていない手段だったのだと涙を呑むしかないと思っていた。

 

 

けれど、こういう想いをしているコーチが私だけではないことを知ったし、そういう人が一定多数存在することや、その何倍もそういう想いを抱えているクライアントさんが存在することを目の当たりにして、私は考えた。

 

 

未来が描けない人には何が起きているのだろう?

そしてそれは解決可能なのだろうか?

解決のためにはどうすればいいか?

これがちゃんと分かったら

コーチもクライアントさんもみんなで幸せになれるのでは?

 

 

未来が描けない自分を「欠けてる」と思って傷ついたことがある人に勇気を。人一倍、人の可能性を信じ、未来を信じ、そこに行くためのアシストをしたいと本気で願いながら、悲しいすれ違いをしてしまっているコーチに知恵を。

 

 

そんなことをここ3年くらい考え続けてきた。で、やっと言語化できそうだというところまで来たのでいっちょやってみようかと思う。めっちゃ緊張しています。そしてこの前書きを書くだけで原稿用紙5枚分まで来てしまい、ここからが話が長くなりそうなので、今回はシリーズものにさせて頂きます。興味があったらお付き合いください。

 

つづく。↓

 

megumintia.hatenablog.com